【クラクラ】「クラクラのプロチーム」に関する考察

「クラクラのプロチームとかできたら嬉しいよね」とか「クラロワにはプロがあるのにクラクラのプロがないのはなぜ?」と聞かれることがあります

お疲れ様です、pontaです。

最近、「クラクラのプロチームとかできたら嬉しいよね」とか「クラロワにはプロがあるのにクラクラのプロがないのはなぜ?」と聞かれるのでひと記事書いてみます。

界隈外の人には「クラクラなんて昔のゲームだよね」と言われることも多くて、確かに日本でのユーザー数は減ってしまっているんですが、海外では大人気、アプデも好評。もはやいまが全盛期といえるくらい盛り上がっており、公式もesportsに寄せてきている、という前提のもとに話を聞いてもらえれば。

ちなみに毎月行われているクラクラ世界大会予選では日本チームが出場し続けており、6月大会では日本チームがついに本戦出場を決めた!というところであります。

それもあってクラクラのプロ化に関心を寄せる方もいるんでしょう。


「クラクラでプロが生まれたら最高にアツい!」という熱い気持ちはわかるんだけど現状、クラクラはプロ化のメリットがほとんどないんですよね。

クラロワはたくさんあるんですよ。それは別に、どっちのゲームが優れているとかいうわけではなく、単に長期的に続く公式リーグがあるかないか。それだけの差になります。

まずもって、クラロワの場合、プロになるメリットは、下記です。ほかにもあるかもしれないけど。

1)「プロ」でなければ公式のリーグに出場できない
2)データの収集と分析
3)宿や交通手段の手配
4)広報、公式への対応
5)「給料」による練習時間の確保
6)練習環境の整備(とくに「協力プレイ(2v2)」)

とくに1番のメリットはめちゃくちゃ大きいですね。これひとつだけで「プロ」になる意味があるといっても過言ではない。

ですがクラクラの場合、現状「プロ」でなくても公式大会に出場できます。(単発の大会につき、選手たちの身元証明の担保がそこまで必要ないためでもあります)

また、宿や交通手段、通訳もすべて大会側が手配してくれます。至れり尽くせり。

なのでチーム側の提供できること(選手側のメリット)がほとんどないんですよね。

アナリストだって、クラン内の有志のほうがよほどいい人材を準備できるだろうし…。

たとえば弊社がプロチームを作ってアナリストを用意したとしても「うちのクランの方がドズルやpontaたちよりいい配置作成者を用意できるぜ。しかもタダでやってくれるんだwwあいつらプロチームのくせにアマに負けてやんのwww」と言われてしまいそうで、それはもう「せやろなあ」って感じです。

下手したらプロチームは「賞金を中抜きして、実際にはなにもしない」だけの存在になるような気がします。

問題となるのは下記ですか。

・「給料」による練習時間の確保

・練習環境の整備

ですが、どうなんですかね。これまたリーグと異なり、出場が確約されておらず、定期的なチームへの収入が見込めない中で給料を出すといってもどっからいくら出すんだよ問題があります。

海外のプロチームはどうやってマネタイズしてるんや。金持ちYouTuberが将来の公式リーグ化を見越して、先行投資してるんすかね。

ただまあ、これが実現できれば、仕事の都合などで長期的に休みが取れず、大会に出場できない人にとってみればプロチームの存在はありがたいのかな。

なのでプロ化とそれにともなう選手の生活基盤の確保は、いますでにポーランドに行ってる人ではなく、「実力はあるが、仕事の都合でポーランドに行けなかった人」には役立つ時もあろうかと思います。

といっても出せてお給料は初任給くらいだと思うので、すでにご家庭があってちゃんとした会社にお勤めの方のプロ入りはどうなのとは思いますが…。

もちろん「クラクラのプロ化は意味がない」ということではなくて、今後、クラクラの公式リーグが整備され、長期的かつ継続的なチーム収入が見込める場合になってはじめて、出てくる話かなと思います。

リーグ実施に伴い、毎週配置を考えたり、データを集めたり、宿や交通手段の手配などの雑務が選手の仕事になったら、チーム側が選手に提供できるメリットも生まれてきますし。

パブリッシャー側としても、何十人にもなる選手を管理するのは大変なので、ちゃんとした運営母体に選手のマネージメントを任せるのが現実的でしょう。

要は「遅刻すんな」とか「SNSで炎上するな」とかルールの徹底とかをチームに任せられるってことです。

「プロゲーマーという肩書がかっこいいから名目上のプロチームを作ろう」とかだと話は別

ただ、ここで話をややこしくするのは「プロゲーマーという肩書がかっこいい問題」です。

ゲームを極め、そしてトップ層であると自認する人にとって「プロゲーマー」というブランドはキラキラしています。

なのでこれに憧れる人は非常に多いんですよねえ。

ほかのゲームでも「esports」「プロゲーマー」という肩書に憧れて、実態のないチーム、実態のないプロがうじゃうじゃいます。

ただ冷めた言い方をすると、アマチュアとプロの実力が伯仲しているのは野球やボクシング、サッカーならあり得ない話で。

アマがプロに勝てる、そんな段階で「プロ」と名乗ることは、単なるブランド以上の意味があるのかわかんねーなって思っていて。

(クラロワだと、ハンドスキルだけならアマとプロは伯仲してるんですが、デッキの読みあいとかデッキ幅とか2v2とかでプロとアマの差が大きいんですよねー)

だからクラクラも今後、配置や分析の負荷がめちゃくちゃ増えて「プロ(専業)じゃなければアマはとても勝てない」という環境になったらプロの出番かと思います。

でもなあ。そこまで深く考えず、「名乗ったもん勝ちでしょう」ってノリでプロチームを作ることも実際は可能なんですよ。

チームは「肩書を与える」とか「練習場として会議室を貸し出す」、「企業からスポンサードを取ってくる」程度の関わりにとどめる。

選手は選手で、名刺に「プロゲーマー」と書き、本業やコミュニティ内の「押し出し」のためにそれを活用する。

お互いWin-Win。

そんなんで「プロ」でいいならうちだってプロチームはいくらでも作るよ。いやでもさあ…。超ダサくね?それ。

まあ、それはそれで誰も不幸にならないからいいのか…と思いつつ、自分的にはあんまそういう形でクラクラを利用したくないので、もし今後ビジネスで関わるとしても、どっちかといえば利他的な動き方をしたいなと思います。

なんすかね。プライド的な話です。

以上、よろしくお願いします。