e-sports業界に就職・転職する方法:ゲーム会社ではなくコミュニティから入り込んでいく方法について
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e-sports業界に就職・転職する方法:ゲーム会社ではなくコミュニティから入り込んでいく方法について
お疲れ様です、pontaです。
esports業界で働きたいという若者があとをたちません。いや若者というよりお年を召した方からご相談を受けることもあります。
そういえばワイ、3子を抱え家を建て、固い仕事に就きながらもゲーム関連企業に転職したという、変わり種であります。
それもまだ、1年前。
なので気持ちはどちらかというと、業界外の人に近いところがあります。
そんな立ち位置のワイが、「ぜひesports業界で働きたい!」という人のために、ちょっとしたアドバイスを言語化してみたいと思います。
ひとつのタイトルを極める
まずもって、ゲームをやりこみましょう。とくにひとつのタイトルを。
LOLもハースストーンもクラロワもクラクラもコンパスもスマブラもスト5もぜんぶ詳しいです!なんて人は見たことないですし、いたとしても浅いでしょう。時間は有限なので。
手を伸ばせてふたつまでかな。
だから、すべてのタイトルを知り尽くそうとして器用貧乏にとどまるくらいなら、「このゲームの仕様もコミュニティもぜんぶ俺が把握しているぜ!」というレベルまで極めましょう。
そういう人のほうが専門性の観点からみて魅力的です。
現に、ウェルプレイド社を見てもWEKIDSさんを見ても、弊社を見ても、元プロゲーマーだのインフルエンサーだのランカーだの、猛者ばかりです。
オフラインイベントのいちスタッフが、その界隈では泣く子も黙る天才プレイヤー、ということも多々あります。
もちろん、esports雑誌の編集者とかになるなら、幅広い知識は必要でしょうが。それにしても「ひとつのゲームを極めたことがある」というのは大きな武器になります。ひとつのゲームの知識や愛や人脈が、あなたのホームグラウンドとして実力を下支えしてくれます。
っていうかむしろ「どのゲームも極めたことがない」というのはかなりのディスアドバンテージですね。
だって「コアファンがどんなものを求めて、どんな大会が盛り上がるか」を知らずして自分でそういう大会を開いたり、お手伝いはできないですよね。
別にスーパープレイヤーになる必要はないですよ。ただゲームのTwitterアカウントは当たり前のように持って、オフラインイベントに足を運んで、サブアカウントをいくつも持って、みたいな「濃さ」はほしいなあとは思います。
そして、愛や濃さがなくてこの業界に入ってくる意味はないかなと。現状、そんな儲かるわけでもないし。
外部で上位互換の実力を身に着ける
esports業界で働きたいという人はとっても多くて、弊社でさえひと声100人、Wellplayedさんはその数倍集まるんじゃないでしょうか。
そんな中で目立つにはやはり、即戦力です。ベンチャーだと教育する時間や体力の余裕がないので、もともとスキルを身に着けた方は企業側としてはありがたいです。
といっても無駄なスキルを身に着ける必要はありません。
英語を使わない弊社に東大卒のTOEIC 900点、の方が募集してきましたが、残念ながら不採用となりました。人材市場ではワイなんかよりよほどレアで、高給取りになるのに、弊社に募集してきたばかりに…。
そのあたりは求める人材とのマッチングですかね。弊社が英語を使うフェーズになったら逆にこちらが三顧の礼で出迎えるパターンになるかと思います。
もしあなたが学生さんであれば自分でゲームのオフ会を開いたり、オンラインのゲームイベントを開いたりすれば実績としてアピールできます。
ただそれも誰でもできるイベントだと「がんばったね」だけで終わるので、イベントをビジネスとして成立させたり、特設サイトでどえらいPVを稼いだりすれば「この人、やべーな」となります。
もしすでに働いている人であれば、上記に加え、現状の職場で特殊なスキルを身に着けておくと有利でしょう。
別にesports業界で働いている人がスーパーマンなわけではなくて、いまのあなたの職場のほうがよほどスーパーなスキルが身につくかもしれない。
なのでそこで、たとえばプロスポーツチームの運営に携わったり、関連法律の専門家になったり、グッズデザインをたくさんしたり、アナウンサーになったり。
esports業界の人が「ほへー」となるようなイケてる専門性を持てば、対等以上の立場でご自身を売り込めるんじゃないでしょうか。
いまの職場にそういう仕事がないよ!という場合は作ってみてもいいかもです。会社のお金で。
いや自分は若いんだ、学生だ、新卒で入りたいんだといった場合、YouTubeやブログでゲーム情報を発信し、インフルエンサーになるといいかもです。
まとまった登録者数やPVをゲットできれば、それ自体がパワーになります。
ただ、「どれだけゲットすればesports業界に入れますかね?」という質問をする人はけっこう厳しいかと思います。
顔を売る
ここまで書いていてだんだん面倒くさくなってきた。
いろんなイベントに出て、顔を売ればいいと思います。オフイベントね。
とくに人事決裁権を持つ社長に「面白い人だなー」と思われたら勝ちみたいなところがある。
esports選手やインフルエンサーが有利なのはここで、そういった人と顔見知りになり気に入られる確率が高いんすよね。
ただ難しいのが「俺、あなたの会社で働きたいんです!」という取り入る意欲まんまんで近づくひとはもう、「臭っ!」って感じなのでそれはもうどうなのって感じですよね。
あくまで誰かと仲良くなるときには「ゲームバカ」であるべきで、「俺…人材として…いいでしょ?いま…人…募集してます?」みたいに色気を出したら、うわーですよね。
だから、まずもって「困っている人がいる、助ける、役に立つ、評価される」、みたいな流れがあってはじめて、一緒に働きませんか、みたいな人脈はできるんじゃないかなあ。
スモールスタート
「esports業界で働きたいんです!」という学生さんに多いのが「正社員で、新卒で、最初からがっつりと」という希望なんですが難しいですって。
人材は高価な機械と同じですから、雇う方も相応の覚悟が必要です。そして不安定な業界ですから、雇われるあなたのほうにもリスクがある。
だから、まずはボランティアなり副業なりですこしずつ入っていくのがいいんじゃないですかね。
最初はボランティアで信頼を勝ち取り、次にアルバイトとしてギャラをもらって責任ある仕事をこなし、そこに自分なりの付加価値をつけ、実績を買われ、仕事を増やしてもらい、おたがいなくてはならない存在になりつつ、最終的には完全加入というのが自然な流れなんじゃないでしょうか。
これが一番、お互いにとってリスクがないのかなと思います。
なんなら、手堅い正業がありながら、esports関連の副業で10万なり20万なりを稼ぐのが一番の勝ち組まである。
ライターの謎部えむさんもこちらをすすめてますね。
と、こんなことを言っておきながらごめんなさい。弊社はいまバイトもボランティアも募集しておりません…。
継続性
ワイの悪い癖、「箇条書きは最後のほうが面倒くさい」が発動中。
ともあれなんだ、やはり継続性は大事です。一朝一夕でコミュニティから業界に入るというのはけっこう難易度が高い。
少なくとも半年はROMって、顔を売って、ちゃんとした信頼感を醸成するのがいいのかなと思います。ワイで5年くらいかかりました。
まとめ
と、ここまで書いていて、「転職に必要なのは人脈と専門性」という身も蓋もない結論になりそうですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
なお、パブリッシャー(ゲーム会社)の人は一瞬でesports業界に入ってこれるので、新卒で入るならそっちから入ったほうが楽なんじゃないかって気になってきた。
なので、ゲームの専門学校にいって、ちゃんと作品を仕上げて、ゲーム会社に就職して、esportsに寄っていくのはどうでしょうか。だめですか。そうですか。そういう話を聞きたいんじゃないですよね。
いまの職場でesports事業立ち上げたり、起業するのもいいっすね。
現職のほうがいい会社かもしれませんので、転職は慎重に。
esportsは華やかに見えるかもしれませんが、スタッフは裏方です。あなたが仕事でやることは、誰かが輝くためのお手伝いであり、あなたが輝くこととは別の話です。
誰かを裏方でもてなすよりも、「esports業界のお客さん」だったり「天才プレイヤー」のままでいたほうが楽しいかもしれないよ?
夢は見つつ、けれど足元は固めつつ。心はホットに、頭はクールにやっていってください。
以上、よろしくお願いします。
ディスカッション
コメント一覧
地方だとオフイベント参加する度に交通費と宿泊費で諭吉が飛ぶから人脈作りの難易度が跳ね上がりますね
そうなんす。田舎は不利だなと。群馬住んでたからわかりますわ
ただ群馬といえばあの人みたいなポジションは狙い目ですよ
ん、会社のお金で?
会社でプロジェクト立ち上げ会社をもうけさせつつ、名を挙げる的な
「僕は○○のプロです」って目立つしカッコいい