「にわか」を重視すべきか?「コアユーザー」を大事にすべきか? ゲームイベントの企画は難しいっスね

「ライト層」に見てもらうことが数を増やすためのカギになるのだ

お疲れ様です、pontaです。

仕事の一環として、ゲーム内イベントを企画したり、お手伝いすることがあります。

そこでたまに悩むのが、「コア向け」にやるか「ライト向け」にやるかということです。

「コア」というのは、そのゲームを生活の中心に据えてがっつりやってる人たちのことです。
動画やブログを見て情報を積極的に取り入れたり、Twitterの専用垢を作ったり、オフ会に参加したりする濃いめの人ですね。(私も当然ここに入ります)

「ライト」というのは、そこまで入れ込んでいない人たちのことです。Twitterのアカウントも持っていない、特定ゲームにロイヤリティ(忠誠心)を持っていない層ですね。
コアとライトはピラミッド型でできていて、当然、裾野にあたる「ライト層」の人数のほうが多いです。

だから、たくさんの人に見てほしいときは「ライト層」にいかに知ってもらうか、行動してもらうかがカギになります。

「間口を広く、みんなにやさしく」といえば聞こえはいいけれど

だーがしかし、だがしかし。ライト層はそのゲームに対する知識がありません。「マニア」に対する「にわか」なので。

なので、彼らに見てもらおうとする場合、なるべく専門的な言葉を使わないようにしたり、マニアックなコミュニティの文脈を出さないようにする必要があります。

なんていうのかな。「わかるやつだけ、わかればいい」という初心者ほったらかしは禁物で、親切に丁寧に、丸い作りにする必要があります。


⇒図は「わかるやつだけわかればいい」で時代を先取りしすぎた花巻さん。

「優しく、間口を広く」ですね。

これ、一見聞こえはいいんですが、「面白さ」というのはたいてい、「知識の共有」によって生まれるんですよねぇ。

パロディとか、内輪ネタはその極地ですよね。

コミュニティの誰かの有名なセリフを真似したりとか、たとえば誰と誰の仲が悪いとか、知ってる人にはバカ受け。知らない人にはポカーン、みたいな。
こういうのは刺さると本当に刺さるんですよね。まあ、これはちょっと苦手な人も多いかもですね。

では、「その番組を毎回見ている人だけがわかる仕掛け」はどうでしょう。

これもある意味、初見を置いてきぼりにする「内輪ノリ」の延長ですよね。
ただ「お約束」として視聴者に定着すれば、強力な効果を発揮します。

硬派な人が怒っているかもしれないので、では、ゲームの本質的なことに関してはどうでしょう。

これまた、上手なプレイヤーが「地味だけどすごく難しいプレイ」をしたときとか、「知識があるから面白い」ってのはあると思うんですよ。
ライト層からしたら何が凄いかわからない。でもコア層にはそこがたまらない。みたいな。

このプレイをフューチャーするのもある意味、ライト層が置いてきぼりですよねー。

逆にそこをさらっと流してしまってはコア層が怒ることもあります。

これはあくまで例ですよ。ただそれくらい、ターゲットの想定ってのは難しいなあと。

何が正しいとか悪いとかじゃなくて、基本的にコンテンツって、事前知識の共有があればあるほど共感し、楽しめるよなあと。

ゲームに限らず、動画もブログも短歌も映画もお笑いもすべてそうです。

だからターゲットを広げて「数」を取ろうとすればするほど、最大公約数的な、万人向けの、基本知識を前提としない、面白味のぶれたものになっていく。難しいですよねえ。

「ライト向け」に作るのが正解なんだけど

コミュニティに熱くなってもらおう!とコア向けに作れば「一部の人しか見ない」という批判を浴びる。実際に、数が伸びない。

みんなに見てもらおう!とライト向けに作れば「誰が見るんだ」という批判を浴びる。数は伸びても、コミュニティに悪評が立つ。

わかるんですけどね。

ライト層に色気を出した企画はコア層からすると、しゃらくさくて、軽薄で…自分たちを軽視していて…。

なんていうか「わかってない感」がするんすよね。

「マーケットの拡大とか知るか!そんな誰も見ない企画をしやがって!」というコアの人が怒る気持ちはよくわかります。

わかるんですよねえ。

ただ一方、そういう「誰が見るか、よくわからない企画」って実は、そのゲームを知らない人を「獲りにいく」ためのものだったりするので。
最終的にはめぐりめぐって、コアファンの人がハッピーになるはずなんですが。そこはなかなか、ご納得いただけない。なんか上のやつらがごそごそ、センスのない、おかしなことやってると思うでしょう。俺もまあ、思うかもしれない。

難しいですねえ。

もちろん宣伝だったり企画だったりは「コアファンの方はどのみち見てくれるので、ターゲッティングする際は“その周辺”を狙うのが常識」と言われています。

なのである意味、コアを無視するのがセオリーです。

ただ、ただ私の「面白い」と思うものは、「濃くて」「マニアック」で「文脈を重視した」ものが多いので、ライト向けに作るときはどうにも迷いが産まれてしまい…。

本来の自分のもってる良いものを出し切れずにぶれるのも確かです。

ちょっとだけ「正解」が見えた瞬間

すみません。迷いの多い記事で。歯切れ悪くて。
企画者としてはまだまだ新米なので。今日は珍しく、考えながら書いています。いつものように結論に向けてばーっと書く、ができずにいます。

ところで先日、「ブロスタコロシアム」という生放送がありまして、骨格を提案しました。通りました。

「ステージ制」という仕組みは斬新で、今までの私の出した企画の中でも一番、手ごたえがありました。

ライトにも、コアにも楽しんでいただけるポテンシャルのある「建付け」だったと思います。
(内容を実際に作り上げたのは、ドズルさんや出演者、そしてアーティテクチャスタッフの方なので私の果たした役割は微小だったと思いますが)

なんていうか、自分のなかの「マニアック」や「コア」な部分を大切に。
「濃い」エッセンスを守りながら、その延長にて、ライト層が見るに堪えるものに仕上げるのが正解なのかなと思います。

「ライトな人に見てもらうためにライトな企画をー」だと、自分の場合はどうにも薄っぺらいものしかできないので…。

群馬のインキャのだっせえ男子高校生だったあのころの自分を大切に、人様にお見せできないようなマニアックな部分をどうにかこうにか工夫して、体裁を整える。

とにもかくにも、自分が「面白い」と思うものを信じる。

それが私にとって一番いい企画の出し方かなあと思っています。

たぶん、みなさんも同じだと思います。自分のなかの「面白い」をどうぞ大切に。

まとまらずすみません。

以上、よろしくお願いします。

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Posted by ponta